超名著ですが改め、秋の夜長に読むと言葉が染み入る。前回読んだのは子供ころだったかもしれない。

生きることは日々、そして時々刻々問いかけてくる。わたしたちはその問いに答えを迫られている。考え込んだり言辞を弄することによってではなく、ひとえに行動によって、適切な態度によって、正しい答えは出される。生きるとはつまり、生きることの問に正しく答える義務、生きることが各人に課題を果たす義務、時々刻々の要請を充たす義務を引き受けていることにほかならない。

コロナ禍でなんとなくのっぺりと毎日が過ぎていく中で、「生への手触り」は、私が何を行動するのか・どんな態度でむかえているのかを考える。

生きるということは決して漠然的な何かではなく、つねに具体的ななにかであって、従って生きることが私たちに向けてくる要請も、とことん具体的である。

ひとりひとりの人間を特徴づけ、一つ一つの存在に意味を与える一回性と唯一性は、仕事や創造だけではなく、他の人やその愛にも言えるのだ。

抽象的でアノニマスなものではなく、具体で唯一な意味となるもの。私にとっては改めて何なんだろう。PDのみんなでよく話すところの、人生で自分が探求していく問い、でもあるんだろう