1995年に出版
創造性の喪失、いかに取り戻すか
情報伝達から、情報創造へ
- 情報化社会により考えることよりも受け取ること、伝えることに重きが置かれている。メディアやSNSなど、今の時代にもいえること。
- KJ法は情報を集め、それらの情報に素直に語らせ、積み重ねることで「考える」「創造する」プロセスである
- コンピュータは情報を処理することはできても考えて創造するという面ではファジーであり、それを人間が代替されてはならない
👉川喜田はKJ法に代表される情報創造による情報化社会を志向する。
ヘゲモニズムから参画社会へ
- 今までの文明は管理、覇権、戦争しか選べなかったが、情報化とともに民主主義・参画社会・平和がグローバル要請となってきた
- だがまだ覇権を持っている人が参画を促進しようとしていない
官僚制への見方
- 官僚制を打破するというよりは、官僚主義を打破した方がいい
- 官僚主義は情報のトップダウンの流れを強化する
- デカルト的合理主義にも起因する
- 人間を心身二元論的にとらえ、自分を世界外的にとらえるエリートの考え方。弱さや人間の欲を考慮しない。
会社組織でもボトムアップが大事、やってのける機会を与える
- 創造的に振る舞うということは、問題解決を「やってのける」こと
- 民主主義を実現する上では自主独立が重要。会社のリーダーなども部下に任せることが重要である。
- 分業にも懐疑的な見方
- 問題解決における一連のプロセス、ひと仕事をやってのけた成功体験が人間性を育み、社会を平和にする
- 課題だけを与え、成功体験を積ませる。それが自律を育んでいく。
- 細かいことはいわない。報告を待ってくれるのがいい上司。
保守と創造
- いのちあるものは保守と創造という「絶対矛盾的自己同一」として存在している(西田幾多郎)